GRIT やり抜く力 アンジェラー・ダックワース
本を読み始めてすぐ私は嫌な予感がした。自分には「やり抜く力」が欠けているだろうと。
なぜなら、バイトをコロナの感染拡大を理由にしてやめたものの、それだけが理由ではなかった。ポイントをつけた控えを一枚無くしただけでひどく怒られた。私にしてみれば、間違いは誰でもあるし、そこまで怒られることでもないと感じたのだ。
その前にしたインターンも上司が高圧的でストレスが溜まって辞めてしまった。
私はどうも自分を耐えられる限界にたどり着く前に守ってしまう。自分に甘すぎるのかもしれない。
実際本に載っているアンケートに答えてみたところ私は2.8/10しかなかった。このスコアはアメリカ人全体の下位10%に位置するらしい。
自己申告のアンケートでは過大評価や過小評価があってあまり正確ではないように思えるが.........この研究の詰めが甘いところでもあると思う。
ただ、目新しいものを好む私は確かにこの物差しだとやり抜く力がないほうだ。
作者の定義によると「やり抜く力」(GRIT)とは情熱と粘り強さのことである。
情熱を一つのことに専念することと定義している。
また、作者はやり抜く力は伸ばせると説く。
二つの方法がある。
一つはやり抜く力を自分自身で内側から伸ばす方法。
具体的には
☆興味を掘り下げる。
☆目標を絞る
1.仕事の目標を25個紙に書き出す。
2.自分にとって何が重要かをよく考え、もっとも重要な5つの目標に丸をつける。
3.残りの20個の目標には絶対関わらないようにする。なぜなら、余計なことに時間とエネルギーを取られてしまい、もっとも重要な目標に集中できなくなるから。
☆目標を上位目標、中位目標、下位目標に分ける。
☆意図的な練習をする。
意図的な練習とは、
1.明確に定義された少し背伸びした目標
2.完全な集中と努力
3.速やかで有益なフィードバック
4.たゆまぬ努力と改良
☆意図的な練習を毎日、同じ時間、同じ場所での「習慣」にする。
☆自分の取り組んでいることが、自分よりも大きな目的とつながっていると意識する。
二つ目は外側から伸ばす方法。親、コーチ、教師、上司、メンター、友人など、周りの人々が個人のやり抜く力を伸ばす。
たとえば、教育において、「生まれながらの才能」よりも「努力」と「学習」を褒めることで、やり抜く力を育てられる。
また、作者は人は誰でも限界に直面することを理解している。
それでもなおやり抜く力を説くのは、実際には私たちが思っている以上に自分で無理だと思い込んでいることが多い。
何かをやって失敗するとこれは自分の能力の限界だと思ってしまう。
あるいは、ほんの少しやっただけでやめてしまい、他のことに手を出す。
どちらのケースも、もう少し粘り強く頑張ればできたかもしれない。
実際私は学生起業は親のお金の浪費で、普通の家庭の子供では無理だと思っていたが、経費をほとんどかけずにオンライン家庭教師派遣の起業をした友達をみてそれは自分の思い込みだったと知った。
そして、最後に心に残った一言で締めくくる。
「成功に終わりはない。失敗は致命的ではない。大切なのは勇気だ。」